掲載日時: 2026.07.15 18:02
【医療DX最前線】電子カルテ普及を「2028年100%」へ加速させる課題と国の役割とは?
日本の医療現場において、デジタル化は待ったなしの課題となっています。高度な医療サービスを維持しつつ、人手不足や経済効率性の問題に対応するため、「電子カルテの普及率向上」が最重要テーマの一つです。
先日、日本医師会などが取りまとめた情報によると、200床以上の病院における電子カルテの普及目標を「28年度100%」という、これまでよりも前倒した目標設定にすることが目指されています。この加速的な普及は、医療システムの根幹を変える大きな動きですが、現場には多くの困難が伴います。
なぜ今、「2028年度100%」を目指すのか?電子カルテ普及の重要性
電子カルテシステムは単に紙面をデジタル化する以上の役割を果たします。これは、医療全体の「情報基盤の統一化」を実現するための生命線です。
100%に近い高い普及率を目指す背景には、以下の複数のメリットが期待されているためです。
- 安全性の向上: 紙ベースだと生じる記録の誤りや情報伝達ミスを大幅に減らし、患者様の安全性を高めます。
- 医療効率化(DX推進): データがデジタルで完全に繋がることで、病床管理、薬剤管理、診療プロセス全体を最適化し、業務効率化を実現します。
- 災害時対応力強化: パンデミックや大規模な自然災害時など、緊急時に必要な情報を迅速かつ確実に共有することが可能になります。
普及目標の「加速」が示す現実的な課題
目標設定は高く評価される一方、現場レベルで見ると「物理的・経済的な壁」に直面しています。中国四国医師会連合が行った実態調査でも指摘されているように、電子カルテシステムの導入や維持管理には尋常ではないコストがかかっています。
費用と運用負荷の増大という障壁
病院にとって、最新システムへの対応は「高額な初期投資」「定期的なメンテナンス費用」「職員への再教育コスト」が積み重なることを意味します。これらのコスト負担を全て院内に負わせるだけでは、多くの病院経営にとって大きな逆風となります。
このため、日医連をはじめとする関係者が「国の支援をお願いしたい」と訴える背景には、単に技術的な課題だけでなく、持続可能性(サステナビリティ)という経済的・財政的な課題が関わっているのです。
国家レベルでのガバメントサポートの必要性
電子カルテのような国家インフラに近いシステムを導入し、それを100%に近づけるためには、個々の病院だけのリソースを超えた、「制度設計」と「財政的な裏付け」が必要です。
- 統一規格の徹底: 地域やメーカーが異なってもデータが一元的に読み取れる共通規格の確立は必須です。


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